5/29正午締切!2024年夏の医療体験学習

2024年夏のTouch the Future医療体験学習は以下の7病院で行うことになりました!医師になりたい高校生を対象とした本格的な体験学習です。ふるって応募ください。※病院名クリックで詳細へ

  • 対象:医師になりたい高校生 ※対象学年は詳細をご確認ください
  • 募集期間:4月25日(木)〜5月29日(水)正午
  • 応募方法:「一般公募枠」と「賛助会員校枠」の2種類があります。いずれも下記の応募フォームからご応募ください。
  • 1次選考(一般公募枠):フォーム記入内容で1次選考を行い、6月4日(火)までに選考結果をお伝えします。
  • 2次選考(一般公募枠オンライン面接):6月6日(木)~12日(水)Zoomによる面接を予定。
  • 参加生徒確定:6月13日(木)ごろに結果通知の予定です。参加が決まった生徒には感染症対策のお願いもお伝えします。
  • 参加費:1人5万円
  • 交通費負担など:医療体験学習に参加する生徒の交通費や宿泊費、感染症対策費を補助します。詳細はウェブサイト「奨学制度」のページをご確認ください。
  • 日本地域医療学会で発表:千葉、三重、島根、富山、長崎の医療体験に参加した生徒は、日本地域医療学会(11/30、12/1、富山市で開催)に参加して発表することができます。希望者の中から5名程度を選考する予定です。

一般公募枠
賛助会員校でない学校の生徒は、下の特設フォームからお申し込みください。1500文字程度の小論文課題がなどあり、課題による1次選考、オンライン面接による最終選考を予定しています。

賛助会員学校枠
Touch the Future賛助会員校には生徒1名の参加権をご提供します。それぞれの学校の校内選考で参加が確定した生徒は、下の特設フォームから登録を完了してください。

※医療の最前線で行われるプログラムのため、内容に変更が生じる場合があります。ご了承ください。
※各病院へのお問い合わせはご遠慮ください。お問い合わせはTouch the Future事務局(info_ttf@t-t-f.org)までお願いします。
※医療体験の様子はTtFスタッフが写真や動画で記録し、ウェブサイト等で紹介する予定です。協力いただける場合に限りご応募ください。

地域医療体験学習 志摩市民病院(三重県)

「どんな患者さんも絶対に断らない」「医療によって地域を元気にする」――。

江角悠太前院長のモットーにより、赤字経営と医師の一斉退職という“どん底”からV字回復を果たした志摩市民病院に密着する医療体験です。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持ち、課題が出されます。また、外来診察で問診にチャレンジする機会もあります。院内外の濃密な体験を通じて、医療に携わる喜びや厳しさを体感してください。苦しんでいる人に手を差しのべる大切さや、分からないことをその場で聞ききる力が求められる5日間。主体的に行動すれば、現代日本の社会課題が垣間見え、将来を考えるきっかけをつかめるはずです。

第1クール:東京女子医科大学6年生の学生たちが臨床実習中です。医学生からも多くを学ぶ好機です。
第2クール:神戸大学医学部5年で、地域医療を学ぶ学生団体の代表がメンターです。

■期間
【第1クール】7月20日(土)集合〜27日(土)解散  院内外医療体験5日間 
【第2クール】7月27日(土)集合〜8月3日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
いずれも土曜日正午に近鉄・鵜方駅に集合--病院オリエンテーション/日曜日は地域探訪/月曜〜金曜日夕方まで医療体験学習/土曜午前に解散
■対象と定員
高校1年生以上、各クールの定員はそれぞれ4名
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/地域探訪に要するレンタカー代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別)、1泊500円/協力して自炊
■感染症対策
・集合3日前、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで陰性確認
・1週間前からの健康観察・行動記録表の提出
■交通費補助
上限5万円で交通費を補助、奨学制度を参照

江角悠太医師 メッセージ

地域医療から世界を変えたい!と考える精鋭の高校生求む

医師になりたい高校生のみなさんには人口減少について3つの流れを知ってほしいと思います。

・40年前から日本のへき地では人口減少が始まった。
・16年前から日本全体で人口減少時代に突入した。
・80年後には、地球全体で人口減少が始まることが予想されている。



つまり、人類は「子供が減り、高齢者が増え、人口そのものが減少していく世界」を生きることになります。今まで増加していた「人・モノ・金」は確実に減ります。そして、日本はこの人口減の真っただ中にいます。2023年10月1日の日本の総人口(推計値)は、前の年と比べて約60万人も減りました。1年で鳥取県を上回る人口が消えたのです。それでも、私たちはすべての人々が幸せになれる方法を追い求めないといけません。見方を変えれば、人口減社会に対する日本のへき地での取り組みは時代の最先端。今後を占ううえでとても重要な取り組みが行われています。



街を作る要素には「仕事・教育・医療介護」の3本柱が必要とされています。どれも大切なのですが、私は高齢者が増加していく社会において医療介護が最も重要だと考えています。

医療介護に携わる職種はたくさんあり、どれも尊い。ただ、この多職種の中で医師の専門性は極めて高く、それぞれの職種を牽引する役目を担っています。患者さんが生きたい人生、過ごしたい場所で、暮らしたい家で最期まで過ごせる街を作るには、その地域で医療介護を牽引して、常に住民に合った支援、サービスを提供するシステムを構築できる医師が必要です。

このような職責を田舎で担うには覚悟が必要です。誰もがやりたい、誰もが向き合いたい役割ではないかもしれません。でも、皆さんが現役の医師として活躍するとき、日本の人口は1億人を切り、つるべ落としの勢いで減ると予測されています。人口減社会を担う医師の育成は待ったなし、これ以上放置できない課題なのです。

今夏の医療体験では、次の時代を牽引して創造できる志を持った生徒により多く集まってほしい。誰も未だ見つけていない、少子高齢化人口減少時代における人類の幸せのあり方を共に議論したい――。それが私の願いです。

田舎に住む人々がどのような思いで暮らしているか、そして未来の医師たちに何を求めているのか、その答えは田舎に住む患者さんたちの心の中にあります。皆さんにも患者さんを担当してもらい、責任を持って関わってもらいます。どうしたら患者さんを幸せにできるのかというMissionを課題とします。みなさんがこれから創る理想の日本、世界を想像できるきっかけになることを望みます。

医療体験学習 君津中央病院 大佐和分院(千葉県)

君津中央病院大佐和分院は人口4万人の富津市民の健康と命を守る病院です。同時に、30万人に及ぶ君津医療圏の内科二次救急の一翼を担い、救急担当の日は救急車が並ぶ「夜も眠らない病院」となります。5日間の医療体験では、外来診察、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなどに密着。また、生徒一人ひとりが患者さんを担当して、課題が出されます。積極的に主体的に参加して、ナラティブ・ベイスド・メディスン(Narrative Based Medicine=物語りと対話に基づく医療)とは何かを体感してください。

■期間
7月27日(土)集合〜8月3日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
7月27日(土)正午、JR内房線・大貫駅改札に集合--病院オリエンテーションなど/日曜日は地域探訪/月曜〜金曜日夕方まで医療体験学習/土曜午前に解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員3名(高校1年生は要相談)
■参加費
5万円
※交通費、保険、食費は自己負担/地域探訪及び送迎に要するレンタカー代は後日ご請求
■宿泊
病院近くの2階建て一軒家をTtFが借上げ(男女別部屋割り)、TtFメンターも宿泊/協力して自炊
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで陰性確認
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎のワクチン2回接種済みが応募条件です(母子手帳写しの提出お願い)
※ワクチン接種が1回しかない感染症があれば速やかに追加接種
※接種記録が全くない場合、十分な抗体価を獲得することが難しいため応募できません。患者様、医療スタッフ、そして生徒自身の健康と命を守るためです。ご了承ください。
■宿泊費全額補助
1週間借上げの一軒家契約代金(1人1泊約9,000円)はTTFが全額補助をします。交通費補助はありません。

村山 愛医師 メッセージ

~患者さんの語りに耳を澄まし、人生に寄り添う~
~患者さんとご家族、地域と共に歴史を刻む病院~
 
こんにちは、君津中央病院大佐和分院の医師、村山です。専門は家庭医・総合診療です。自治医大を卒業して、現在は千葉大学医学部の地域医療教育学講座に所属しつつ、千葉県の地域枠・自治医大卒業生の地域医療教育に携わっています。地域医療はすべての医療者・医療を志す者に多彩な経験を与え、重要なプロフェッショナリズムを育める場だと感じています。

当院は外来・入院・訪問診療と継ぎ目のない診療形態を活かし、内科を中心とした多様な疾患を予防から終末期まで、その方の健康に責任を持ちながら、患者さんの人生に伴走する総合的な医療を行っています。高齢者が多いですが、お子さんや若い世代を診る機会もあります。

診断された病名は似ていても、患者さんの周囲の状況や職業、趣味、大事にしていること、ご家族との関係性などは医療に大きく関わるので、治療方針や意思決定などは複雑になります。
患者さんにとっての幸せは何か?何が正解なのか、分からなくなることもあります。それでも皆で協力して、少しでもいい方向に進む。それができなかったとしても、そばにいて、癒す。精一杯生きる姿に、医療者自身も癒され、人間として成長させてもらっているのを感じます。

長年通っている患者さんも多く、5年10年と診ていると、元気で外来を通っていた人が年を重ね、病を患い、入院を繰り返すようになり、施設を利用するようにもなります。
例えば、こんな方もいます。糖尿病で通院していたところがんが見つかり、大きな病院に紹介する。そこでがんの治療をしながら当院にも通い、頑張られている姿を応援する。完治したことを喜び、引き続き慢性疾患の合併症予防につとめる。
残念ながら進行し、積極的治療を諦め、終末期をともに過ごす方もいらっしゃいます。患者さんが亡くなったとしても、ご家族と外来で会うこともあり、ともに患者さんを偲びます。

そんな患者さんたちの物語に耳を澄ませながら、人生に寄り添っていると、強い信頼関係を築くことができます。皆さんにはぜひ、患者さんの物語を聴くことの大切さを実感してもらえるよう、そのような医療体験を準備します。
また、毎月君津中央病院の初期研修医が地域研修をしていますので、年齢の近い立場の先輩からの経験も聞くことができるはずです。

千葉県は高い山がなく年中過ごしやすい所です。富津市は田舎ですが、東京まで早ければ1時間の距離です。君津医療圏は人口の増えている地域と高齢・過疎化が進んでいる地域とがあり、日本の縮図のようです。
「かかりつけの患者は責任を持って診る」と掲げても、まだまだその「かかりつけ」の定義は地域の中で確立されておらず、救急体制と合わせれば、君津医療圏全体で取り組むべき課題は多くあります。都会に近い田舎の良さと課題を、皆さんと一緒に考えられたら嬉しいです。

医療体験学習 平戸市民病院(長崎県)

長崎県の北端、松浦半島から平戸大橋を渡ると、そこは南北に細長く横たわる平戸島です。平戸市民病院はこの平戸島の中南部地区の唯一の病院で、7名の医師が地域の人々の健康と命を守っています。同時に、長崎大学熱帯医学研究所との連携を通じて、日本のへき地医療と国際医療の両方で活躍できる担い手の育成支援も実践しています。

5日間の医療体験では、外来診察、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなどに同行するほか、機会があれば手術見学も。また、生徒一人ひとりが患者さんを担当することで、病が良くなることを患者さんと一緒に喜ぶ共感の心、医療現場の持つ課題などを学ぶことを目指します。

■期間
7月27日(土)集合〜8月3日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
7月27日(土)午後1時半にJR佐世保駅改札前集合--レンタカーで平戸に移動、オリエンテーション/7月28日(日)地域探訪フィールドワーク、レクチャー、医師との食事会/7月29日~8月2日は院内外で医療体験学習/8月3日午前、レンタカーで佐世保駅に移動して解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(少なくとも1名は長崎県在住の生徒を受け入れ予定、高校1年生は要相談)
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担
※佐世保-平戸の移動や地域探訪、訪問診療等に使うレンタカー代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別)、光熱費と寝具代1泊2,000円程度の負担お願い/協力して自炊
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで陰性確認
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・手術見学があるため麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎のワクチンを2回接種済みが応募条件です(参加確定後に母子手帳写しの提出お願い)
※ワクチン接種が1回しかない場合は速やかに2回目を接種して、接種証明の提出をお願いします。
※接種記録が全くない感染症がある場合、十分な抗体価を獲得することが難しいため応募できません。患者様、医療スタッフ、そして生徒の健康と命を守るためです。ご了承ください。
■交通費補助
上限5万円で交通費を補助、奨学制度を参照

中桶了太副院長 メッセージ

平戸は1641年に江戸幕府によりオランダ商館が長崎の出島に移されるまでは世界に開かれた国際都市でした。そのような歴史的な背景を持つ場所ですが、現在は人口減少と高齢化が進行しているへき地となっています。平戸市民病院はそんな平戸の中南部地域の唯一の病院で、外科3名、内科1名、総合診療3名の7名の医師が地域の医療を守っています。診療領域を問わず、0歳から100歳を超える市民まで、病院内に留まらず在宅など院外でも診療をしている病院です。

私たちの地域は高齢者が多い場所ですが、もしも病弱な高齢者が増えて患者数が増加すると病院の応需限界を超えてしまい医療が立ちゆかなくなります。そのため、約30年前から病気の予防や早期発見のために健康診断を推奨し、病院に過剰な負担を生まない地域作りに努めています。病気を患っても住み慣れた場所での療養ができるように訪問リハビリ、看護、診療を行っています。そのために病院のスタッフが一丸となって、地域にお住まいの方がこの地域でいつまでも健康に過ごすことができるよう力を合わせています。このように地域包括ケアや多職種連携を昔から実践している病院です。

世界に目を向けてみると、国際医療は世界規模のへき地で行われている地域医療の集合体と言えます。そこでは医療資源に制限があるなかで、居住する地域で健康に過ごすために活動し実践することが求められています。それは、まさに我々が培ってきた地域医療と同じコンセプトです。そこで、長崎大学熱帯医学研究所熱研内科とのコラボレーションにより日本のへき地医療と国際医療の両方で活躍できる担い手の育成支援も運営し、両者の橋渡しを目指しています。

平戸には豊かな自然があり、それに囲まれ共に生活している方々の生活を支えています。私たちの日々の医療活動を体験して健康と命を守る尊さ、そして平戸の医療が世界に繋がることを感じていただきたいと思っています。

地域医療体験学習 隠岐島前病院(島根県)

隠岐諸島とは鳥取・島根からフェリーで約3時間、日本海に浮かぶ有人4島(島前地区の3島、島後地区の1島)と約180の無人島の総称です。そして、隠岐島前病院は島前地区にある唯一の病院として、人口2700人の西ノ島町の外来診療、人口2200人の海士町と人口600人の知夫村の入院診療を担っています。また、同病院は「地域医療の醍醐味を学びたい」と年間100人を超える医学生や看護学生を受け入れており、教育も大切にしています。

高校生向け医療体験は、島の人々が幸せに過ごせるようよう着実に医療を届けつづけるメディカル・スタッフに密着する1週間。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持つ予定で、「質問する力」「少しでも疑問に思ったことを、しっかりと聞ききる積極性」が求められます。主体的に参加しましょう。

■期間
8月3日(土)集合〜11日(日)朝解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
3日(土)午後2時過ぎに隠岐島前・別府港集合--新型コロナウイルス感染症及びインフルエンザの検査キットで陰性確認--病院宿舎へ/4日(日)は地域探訪や島民等インタビューの予定/5日(月)~9日(金)夜まで院内外で医療体験/10日(土)自由行動/11日(日)朝解散、別府港から本土へ
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(高校1年生は要相談)
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/地域探訪や日々の買い物に必要なレンタカー代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別)、1泊500円/協力して自炊
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで陰性確認
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎のワクチンを2回接種済みが応募条件です(参加確定後に母子手帳写しの提出お願い)
※ワクチン接種が1回しかない場合は速やかに2回目を接種して、接種証明の提出をお願いします。
※接種記録が全くない感染症がある場合、十分な抗体価を獲得することが難しいため応募できません。患者様、医療スタッフ、そして生徒の健康と命を守るためです。ご了承ください。
■交通費補助
上限5万円で交通費を補助、奨学制度を参照

黒谷一志院長 メッセージ

約5500人の健康と命を守る島前病院の常勤医師は全員が総合診療医です。0歳の赤ちゃんから100歳のお年寄りまで、科にとらわれず診療します。内科的な診療投薬はもちろん、超音波・内視鏡などの検査、痛みに対する注射、小さな外科手術まで対応します。救急車も断ることなく受け入れ、必要があれば高次医療機関への搬送判断も行います。一人の医師が幅広く診療する医療は総合診療の最先端であると自負しています。

病院としても日本一の地域医療を目指しています。看護師・リハビリスタッフ・薬剤師・栄養士・検査技師・事務職員・医療秘書など院内多職種が協同し、病院に一歩でも足を踏み入れた方は家族であるというマインドの元、訪問サービスを含めて皆で支えるのが私たちの医療です。
住民が安心して育ち、働き、年を取り、最期を迎えるために、保健福祉に関わる院外の関係機関とも密に連携しています。具体的には、関係機関が月に2回、一同に会して(現在はオンライン)患者さん一人ひとりの症例を検討し、ふだんから顔の見える関係作りをしています。

「医師と院内外が密に連携して人々を支える」――。ここ隠岐島前病院で日々行っている医療は、日本が迎えている超高齢化社会に対応する一つの“あり方”だと思っています。
医師のみではなく、院内外の関係職種の方や患者さんなどと積極的にコミュニケーションをとり、その姿を皆さん自身で見て、感じていただければと思います。

地域医療体験学習 南砺市民病院(富山県)

富山県南西部の中山間地にある南砺市民病院は、「安全で確か、温かい医療」をモットーにした地域の中核病院です。5日間の体験学習では、人々の命と生活を守り、人生を豊かにするために奮闘する医師らに密着します。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持つほか、訪問診療などにも同行。ドクターカーの出動要請があれば医師とともに現場に向かう救急救命医療体験もあります。

多彩で濃密なプログラムが組まれるため、参加生徒には「質問する力」「少しでも疑問に思ったことを、しっかりと聞ききる積極性」が求められます。主体的に参加しましょう。

■期間
8月3日(土)集合〜10日(土)昼解散  院内外医療体験5日間 
3日(土)午後1時、JR城端線・福野駅改札前集合--病院オリエンテーション、レクチャー/4日(日)地域探訪フィールドワーク/5日(月)~9日(金)院内外で医療体験(手術見学やドクターカー体験あり)/10日(日)午後1時、JR福野駅で解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(高校1年生は要相談、少なくとも1名は富山県在住の生徒を受け入れ)
■参加費
5万円
※旅費交通費、保険、食費は自己負担/地域探訪等に要する交通費は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別、宿泊費は無料)協力して自炊
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで受検
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・手術見学とドクターカー体験のため麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症ワクチンを2回接種済みが応募条件です(参加確定後に母子手帳写しの提出お願い)
※ワクチン接種が1回しかない場合は速やかに2回目を接種して、接種証明の提出をお願いします。
※接種記録が全くない感染症がある場合、十分な抗体価を獲得することが難しいため応募できません。患者様、医療スタッフ、そして生徒の健康と命を守るためです。ご了承ください。
■交通費補助
上限5万円で交通費を補助、奨学制度を参照

品川俊治医師 メッセージ

南砺市民病院副院長、臨床教育・研究センター次長

NPO法人Touch the Futureの理念に賛同し、昨年度に続き医師を目指す高校生の医療体験学習に協力させていただくことになりました。地域医療の最前線で活動することで、地域に寄り添う医療の重要性を体験し、命を預かる覚悟と志を育み、将来の進路を考えるきっかけとなることを期待しています。

地域医療はへき地や田舎だけのものではありません。それぞれの地域に寄り添うのが地域医療であり、高齢者が急速に増えつつある都会でも重要な役割を果たしています。医療、介護、福祉の連携によって、地域の住民の健康と福祉を支えるシステムが構築されています。医師はその中でリーダーシップを発揮し、地域のニーズに応える役割が求められます。

私は、患者さんが「ありがとう」と言って帰られる姿、その人たちの人生によい影響が与えられたと思える瞬間……この瞬間のために医師を続けているのだと思います。それは治す技術だけではなし得ないことです。治すための技術に加えて、癒す技術が必要なのだなと、私自身が年を重ねて思うようになりました。

「医療は単なる手仕事ではなく、アートであり、天職まさしく」
これは、医師を目指す高校生のみなさんにお伝えしたいことです。

医師は単なる治療者ではなく、患者と向き合い、その人らしい生活をサポートする存在です。地域医療では、患者の背景や状況を理解し、地域社会での安心した生活を支援することが重要です。

なぜ医療はアートであり天職なのか――。その答えを求めに、ぜひ参加をしてください。そして将来、少子高齢化社会を支える志ある医療人として、未来の担い手となっていただきたいと期待しています。

高度医療体験学習 佐世保市総合医療センター(長崎県)

佐世保市総合医療センターは長崎県北部の人口約30万人の佐世保・県北医療圏における中核病院です。医療圏における最後の砦として、三次救急医療、がん診療、新型コロナなどの感染症診療、周産期医療およびロボット手術などの高度先進医療を提供しています。

高校生向け体験学習ではロボット手術を見学するなどして高度先進医療の最前線を体感します。また、医師の指導のもと生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持ちます。患者さんを通して、病気を患う人々の不安や心配にしっかり向き合う全人的医療がなぜ欠かせないのかを、ぜひ考えてください。佐世保市にある米軍診療所も訪れて、医療に国境の垣根があるのか、或いはないのかも自らの目で確認しましょう。医療の可能性と未来、そして普遍的な本質について考える5日間。参加する生徒には「質問をする力」「疑問に思ったことを、その場で聞く積極性」が強く求められます。

■期間
8月10日(土)集合〜17日(土)昼解散  医療体験5日間 
10日(土)午後2時にJR佐世保駅改札前で集合、ホテルにチェックイン/11日(日)地域探訪のフィールドワーク/12日(月)担当医によるオリエンテーションやレクチャーなど/13日(火)~16日(金)院内にて医療体験/17日(土)午前解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(2名は長崎県在住の生徒を受け入れ)
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/地域探訪に要するレンタカー代は後日ご請求
■宿泊
病院から徒歩圏内ホテルに宿泊。ホテルはTtFが予約済み。
※長崎県在住の生徒は自宅から通うことが可能です
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで陰性確認
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・手術見学等のため麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎のワクチン2回接種済みが応募条件です(参加確定後に母子手帳写しの提出お願い)
※ワクチン接種が1回しかない場合は速やかに2回目を接種して、接種証明の提出をお願いします。患者様、医療スタッフ、そして生徒自らの健康と命を守るために必要な対応です。ご了承ください。
※接種記録が全くない感染症がある場合、十分な抗体価を獲得することが難しいため応募できません。患者様、医療スタッフ、そして生徒の健康と命を守るためです。ご了承ください。
■交通費及び宿泊費補助
・交通費は上限5万円、1泊あたりの自己負担は1泊2,000円程度の予定。奨学制度を参照。

福田雄一 呼吸器内科・診療科長メッセージ

佐世保市総合医療センターの基本理念には、高度な医療を提供するのみではなく、明日を担う医療人を育成することが掲げられています。今回、NPO法人Touch the Futureより「医師を目指す高校生が高度医療を担う当院にて医療体験を出来ないか」とのご依頼をいただきました。医師になりたい生徒や医師を目指すべきか迷っている生徒が、当院にて5日間みっちり医療の現場に密着することは、とても貴重な経験になると思います。

参加する高校生には多彩なプログラムを用意します。呼吸器内科及び腎臓内科の医師の指導のもと入院患者さんを受け持ち、患者さんとコミュニケーションをとりながら、患者さんの思いに寄り添うことを学びます。医療体験の期間はあえて、救急の患者さんが集中するお盆の期間を設定し、救急外来や集中治療室での患者さんの受け入れ対応を見学します。

さらに、ロボット手術など高度先進医療の見学も予定しています。チーム医療の重要性を理解するため、看護師、臨床工学士、理学療法士や放射線技師にも密着して実習を行う予定です。

佐世保市は米海軍佐世保基地を有しており、米国人の患者さんも受け入れて診療しています。研修医や職員を対象に定期的に開催している、米軍診療所のスタッフによる医療英会話教室にも参加してください。実際に米軍基地内に入り、診療所の診療風景の見学も行う予定です。

ぜひ、私たちが日々奮闘する現場に密着し、自分の将来を考えてみてください。

先端医療体験学習 東京慈恵会医科大学附属病院

大学病院には診療・教育・研究という3つの使命があります。東京慈恵会医科大学病院の体験学習では腎臓・高血圧内科(横尾隆教授)が高校生3名を受け入れ、他の診療科や研究室を含めて様々な体験をします。

生徒たちを受け入れる医師たちは多様です。横尾教授は自ら外来診察を行いつつ腎臓再生研究を主導しており、同科には臨床と研究を両立する医師が少なくありません。また、研究グループには他の診療科の医師らも参加しています。こうした医療スタッフたちが奮闘する現場で、医師の仕事とは何かを学び、医療に携わる醍醐味と厳しさを体感する5日間。参加する生徒には「質問をする力」「疑問に思ったことを、その場で聞く積極性」が強く求められます。

■期間
8月18日(日)集合〜23日(金)夜解散  医療体験5日間 
18日午後2時、東京都営地下鉄・御成門駅地上階出口で集合--新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットで受検、陰性を確認後に徒歩圏内ホテルに移動してチェックイン/19日~23日夕方まで医療体験、午後5時に現地解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員3名
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担
■宿泊
病院から徒歩圏内ホテルに宿泊。ホテルはTtFが予約済み。
■感染症対策
・集合3日前に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ検査キットを受検
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・手術見学などのため麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症の抗体検査を速やかに受けてください。
・抗体検査の結果、擬陽性であればワクチン接種1回、陰性であれば接種2回が必要です。
※陰性の場合、1回目と2回目には27日間の間隔を空ける必要があります。過去に2回目接種が間に合わず参加できなかったケースがあります。患者様、医療スタッフ、そして生徒自らの健康と命を守るためです。ご了承ください。
■交通費及び宿泊費補助
・上限5万円で交通費を補助、奨学制度を参照。
・大学とTtFで宿泊費を補助、1泊あたりの自己負担額は2,000円程度の見込み。 

横尾 隆教授 メッセージ

皆さんは将来の自分の職業をどのようにして決めるのでしょうか? 子どもの頃から目標にしていた将来像がある人もいるかもしれませんが、“なんとなく”ご両親や先生に薦められて医師になろうかな、と考えている方もいるのかもしれませんね。

近年のAIの普及、画像診断力の向上、医療ロボティクス技術の圧倒的進歩、個人の権利意識の変化などにより、医師の仕事も大きく変革されようとしています。以前は時代の流れに左右されない安定した職種であり比較的高収入が得られるということで、医師になりたいと希望する人が多くいました。しかし、今後医師が余る時代が来るとされています。超高齢化社会を迎えるにあたり、医療や介護の必要度はさらに高くなります。したがって本当に現場で必要とされる医師のみが残るようになるとされており、医師を希望するにはこれまでとは違った覚悟が必要となるのではないでしょうか。

それでは、医師とはもはや未来がない暗い職業なのでしょうか? 否、そのようなことは全くありません。医師は常に“ワクワクできる”職業なのです。ヒトは必ず老いて、いつかは亡くなります。医師は神ではないので寿命を永遠に伸ばすことはできません。ただ最期のその日まで元気で活躍する健康を維持させるための挑戦は尽きることはありません。

教科書を塗り替えるような新しい治療法や診断法を見出したり、それを分かりやすく後進に伝授したりすることは、何年経っても色褪せずに刺激を与え続けてくれます。つまり目の前の患者さんを実際に治療する「診療」、目の前の患者さんだけでなく明日の医療のための開発を行う「研究」、そして次の世代がさらに活躍し、医療が発展できるように自らが踏み台となって育てる「教育」の3つが医師の役割になります。

私は毎週患者さんを診察し、腎臓の再生医療研究に取り組み、そして後進の教育に努めています。毎日飽きることがありません。医師になり30年以上経ちますが毎日ワクワクしながら仕事ができています。

医療と医学の分野にはまだ解明されていないこと、分からないことが多くあります。現場のワクワク感と課題に共感して医師を目指してくれる若い力が求められています。では、これらを知ってもらうにはどうすれば良いでしょうか──。私は実際に皆さんが現場に来て、肌で感じるべきだと考えています。この考えを実践するため、2年前にNPO法人Touch the Futureの活動に協力することにしたのです。

これまで4名の高校生に本学に来てもらい、実際に現場のリアルを体験してもらいました。1週間のプログラムは、ICU(集中治療室)を含む病棟や外来業務の見学はもちろん、実際の手術に立ち会い、本人が望めば当直業務の随行なども体験できるなど多岐にわたります。さらに実際の入院患者さんと面談することで、病を患うと生じる問題は病気だけでなく、家族関係や経済問題など患者の周囲の多くを巻き込んで生じてくることを知ってもらいました。何よりも現場では患者さんを含むチームワークで病と戦うことを実感できたと思います。さらに医学研究も見学してもらい、メディアにも取り上げられるような最先端の研究がどのようにして生まれてくるかを学べたと思います。

日進月歩の医療ですが、どうしても救えないケースがあるのも事実です。その明の部分と暗の部分を両方知ることは大きな衝撃だったはずですが、参加してくれた高校生は目をキラキラさせて毎日熱心に多くを吸収してくれました。それを見守る我々も日ごろ忘れかけている素朴な疑問を非医療従事者の目線で純粋に問いかけられ、立ち返って学ぶことがあったことは新鮮な驚きでした。

このように医療現場の持つ課題、病がよくなることを患者と一緒に喜ぶ共感の心、そして病とともに人生の幕引きをいかに過ごすかを患者や家族とともに考え最善を探す究極の使命があることを、医師を目指す前にまず知ってもらうことが医療体験の目標です。

ぜひこの企画に参加していただき、“なんとなく”ではなく“我こそは”という強い意志を持って医師を目指してほしいと思います。次世代の医療を託す人材が育ってくれることを心から期待しています。