2022 先端医療体験レポート

東京慈恵会医科大学病院・先端医療体験に生徒1名が参加!

2022年8月22日(月)から26日(金)にかけて、東京慈恵会医科大学附属病院(東京都港区)で先端医療体験学習が行われました。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るった「コロナ第7波」の真っただ中でしたが、腎臓・高血圧内科がTtF賛助会員学校の渋谷教育学園渋谷高校2年生・Mさんを受け入れてくれたのです。

「事前課題などは出しません。まっさらな状態で参加をしてほしい」という横尾隆教授の要望もあり、Mさんにとって腎臓の機能や腎疾患を学ぶ初めての機会です。

初期の尿異常から透析、腎移植、そして腎臓の再生医療研究までを行う医療チームに密着した5日間。どのような体験をし、何を得たのか、動画とともに一部ご紹介します。

1日目

午前】医局--オリエンテーション--腎臓・高血圧内科外来--ICU(人工呼吸器の装着、肺の洗浄と細胞採取などを見学)
午後】病棟体験--若手医師2名の病棟業務に密着--入院患者さんと面会

2日目

午前】副病棟長の上田裕之医師レクチャー--新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集中治療室などの見学--病院食体験
午後】腎臓再生レクチャー、腎臓再生研究の現場でアクティビティ--臨床ラボ--遺伝子改変動物飼育・研究室--腹膜透析カンファレンス見学--腹膜透析の様子の見学--振り返り

さまざまな学び

藤井智子医師
医療従事者になると病院内の環境が当たり前になってしまい、患者さんの気持ちに気づけなくなるときがあります。だからこそ、まだ医療従事者になっていない今、患者として不快だったり嫌な思いをしたりしたことを忘れないでください。その記憶は、きっと未来のあなたの役に立つと思います。

亀島佐保子医師、宮崎令奈医師
医師の仕事とは大まかにいえば、患者さんの主訴を聞き、どのような診療が必要なのかを判断すること。だから、話を聞き出す力が大切。医療は常に進歩しているので、医師になったらずっと、ずっと勉強。全ては患者さんのため。

患者さんA
痛みのレベルが1から10だとすると、私の痛みは常に一番痛い10。薬は気休め、寝返りなんてとてもできない。具合が悪いと、ついつい周囲に対して横柄な態度をとってしまう。(私のように)なるべく症状の悪い人を診て、場数を踏んで。そして、どんな患者にも対応できるお医者さんになってね。

患者さんB
患者は常に不安です。だから医師には優しさが必要だと思います。

お会いした医師たちは、常に患者さんのことを考え、行動をしている方ばかり。医師に対するイメージが変わりました。また、研究棟を見学して、専門の異なる人たちが一つの研究を行うことの可能性にも気づきました。臨床だけではなく研究にも尽力することが患者さんを救うことにつながる。そして、先輩医師が研修医を指導するのも未来の医療、未来の患者さんのため──。そんな多くのことを学びました。