2022 先端医療体験レポート

東京慈恵会医科大学病院・先端医療体験を最終日まで!

「まるで研修医みたいだね」「もう馴染んでる」
3日目、医療スタッフがMさんに声をかけます。笑顔を欠かさず、元気にあいさつ。分からないことをそのままにせず、積極的に質問する姿勢も認められたのかもしれません。
そんなMさんの体験を一気にご紹介します!

3日目

午前】情報共有カンファレンス--横尾隆教授の回診に同行--病棟長の丸山之雄医師に同行
午後】手術見学--松藤千弥学長や横尾教授らと振り返り--オンライン・ミーティングに参加

4日目

午前】血液浄化部レクチャー--コロナ対応透析室見学--腎臓移植を受けた患者さんと面会
午後】遺伝子改変動物飼育・実験室--救急部見学--オンライン移植カンファレンス--当直体験--緊急呼び出しを受けた当直医2人と救急部へ

5日目

午前】前夜の当直体験で見学した患者さんの状態をカルテで確認--予後数か月という患者さんの治療方針を検討するカンファレンスを見学
午後】横尾教授の外来を見学--診療参加型実習(クリニカルクラークシップ)を控えた医学部5年生への白衣授与式を見学--5日間の振り返り

さまざまな学び

丸山之雄医師
東京慈恵会医科大学病院には「病気を診ずして病人を診よ」という言葉が至るところに貼ってあります。これは建学の精神、つまり「病んでいる臓器のみを診るのではなくて、病に苦しむ人に向き合い、その人そのものを診ること」の大切さを表しています。患者さんに元気になってもらって、家で好きなことをやれる状態まで持っていく。私もそんな医療がしたい。

松尾七重医師
内科医は手術をしないと思うでしょう?でも腎臓・高血圧内科の医師は、腕の動脈と静脈をつなぐシャント手術や、カテーテルをお腹に埋める手術などもする内科医なんです。

透析には人生の多くの時間を拘束されてしまいますが、移植を受けると、制約はあっても人生を元に戻すことができる。移植医療のすごさを感じました。
その一方で、欧米と比べて日本では臓器提供が少ないことや、その理由の一因と言われる独特の死生観について初めて知りました。とても難しい問題だというのが率直な感想です。

手術を見学して2つのことが印象に残りました。一つ目は、若手の医師が指導医からアドバイスをもらいながら縫合していたこと。学ぶことの大切さが伝わってくる光景でした。二つ目は、手術はやりがいがあると思えたことです。医師による医療行為の結果が、そのまま患者さんの身体に現れるからです。

治療の先にある日常生活までも考え、患者さんの生きがいを作ってあげるのも医師の仕事だと分かりました。多くの医師たちと過ごすことで、患者さんに寄り添う医療とは何か、深く考えさせられた5日間でした。