【参加者募集】2025夏の地域医療体験(5/22締切)

2025年夏のTouch the Future地域医療体験学習は以下の8病院で行うことになりました!医師になりたい高校生を対象とした本格的な体験学習です。ふるって応募ください。※病院名クリックで詳細へ

  • 対象:医師になりたい高校生 ※対象学年は詳細をご確認ください
  • 募集期間:4月29日(火)〜5月22日(木)夜20:00締切
  • 応募方法:「一般公募枠」と「賛助会員校枠」の2種類があります。いずれも下記の応募フォームからご応募ください。
  • 感染症対策:患者さんを担当する本格的な体験学習のため、医療従事者と同等の免疫が求められます。応募前に4感染症(風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎)の抗体検査を受け、現在の抗体価を応募フォームに記入してください。詳細は下記ボタンからご確認ください。

※リンク切れを修正しました。ご迷惑をおかけしました(5/2)

  • 1次選考(一般公募枠):フォームに記入した内容がエントリーシートになり、これをもとに1次選考を行います。結果は5月25日(日)夜に連絡します。
  • 2次選考(一般公募枠オンライン面接):5月27日(月)~6月3日(火)19時以降、Zoomによる面接。
  • 参加生徒確定:6月10日(火)に結果通知の予定です。参加が決まった生徒は抗体検査結果の写しを提出してください。
  • 参加費:1人5万円(交通費、宿泊費、食費、保険等は自己負担)
  • 交通費と感染症対策費の補助:医療体験学習に参加する生徒の交通費と感染症対策費を補助します。詳細は「奨学制度」のページをご確認ください。
  • 日本地域医療学会に招待:夏の医療体験学習に参加した生徒は日本地域医療学会(10/11、12、新潟市で開催)に招待されています。学会では医療体験の学びについて数名が発表することになっており、発表する生徒は事後報告書をもとに選考をします。1泊2日の学会に参加する生徒には旅費(宿泊費含む)を補助します。

※医療の最前線で行われるプログラムのため、内容や日程に変更が生じる場合があります。ご了承ください。
※各病院へのお問い合わせはご遠慮ください。お問い合わせはTouch the Future事務局(info_ttf@t-t-f.org)までお願いします。
※医療体験の様子はTtFスタッフが写真や動画で記録し、ウェブサイト等で紹介する予定です。協力いただける場合に限りご応募ください。

一般公募枠
賛助会員校・選抜生徒以外の全ての生徒は、下の特設フォームからお申し込みください。1500文字程度の小論文課題がなどあり、課題による1次選考、オンライン面接による最終選考を行います。

賛助会員学校枠
Touch the Future賛助会員校には生徒1名の参加権をご提供しています。それぞれの学校の校内選考で参加が確定した生徒は、下の特設フォームから登録を完了してください。

志摩市民病院 三重県志摩市

「どんな患者さんも絶対に断らない」「医療によって地域を元気にする」――。

江角悠太前院長のモットーにより、赤字経営と医師の一斉退職という“どん底”からV字回復を果たした志摩市民病院に密着する医療体験です。生徒一人ひとりが入院患者さんを担当し、「患者さんが真に求めているのは何かを探り、幸せにするために何ができるか」を考えるという課題が出ます。訪問診療や訪問リハビリなどにも同行し、医療に携わる喜びと厳しさを体感してください。苦しんでいる人に手を差しのべられるか、社会に貢献する気持ちがあるかを確認する5日間。主体的に行動すれば、現代日本の社会課題が垣間見え、将来を考えるきっかけをつかめるはずです。

多彩で濃密なプログラムが組まれるため、参加する生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。「なぜ?」という探求心、簡単には諦めない粘り強さのある方の参加をお待ちしています。。

■期間
7月26日(土)正午集合〜8月2日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
7月26日(土)近鉄・鵜方駅2階改札前に正午集合--病院に移動してオリエンテーション、レクチャー/7月27日(日)医療圏を知るフィールドワーク/7月28日(月)~8月1日(金)夕方まで院内外で医療体験/8月2日(土)午前9時、病院宿舎を退舎。鵜方駅で解散
■対象と定員
高校生2年生以上、定員4名(高1も可)
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/フィールドワーク、病院と宿泊施設の往復などに必要なレンタカー代およびガソリン代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別、車で約20分)1泊500円/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照

・集合3日前及び集合日の朝、新型コロナウイルス感染症検査キットで陰性確認

・1週間前からの健康観察・行動記録表の提出
■補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

江角悠太医師 メッセージ

次の100年、日本のへき地医療から世界を救う方法を創造する
〜全ての世界が少子高齢化人口減少時代に突入する中、最先端は日本のへき地である〜
この言葉にワクワクする高校生を求めます。

初めまして、志摩市民病院の江角悠太と申します。私は東京出身、三重大学医学部で7年を過ごして三重県への縁をいただきました。東日本大震災でへき地医療から世界を救える方法を見出せる可能性を感じ、この15年間、へき地医療の実践、研究開発、教育を行っている総合診療医です。

私の持論を聞いて、こう思うかもしれません。「日本のへき地に世界を救う方法が眠っているわけがない。医療の最先端は最新機器と設備の整った東京やニューヨークの大学病院、研究センターだろう」

ですが、医師になりたい高校生に知ってほしいことがあります。それは、今までの常識を覆す出来事が起っているということ。少子高齢化による未曾有の人口減少です。
日本の人口は2008年、1億2800万人をピークに急激な減少を続けており、今後年率0.8%で減少。2060年には8000万人ほど、2100年には3000万人ほどになると予想されています。

・子供が減りつづけ、高齢化率は増加していく
・生産能力も低下して経済発展は今後望めない

こんな話はもう聞き飽きた、懲り懲りだ、だからなんだという人もいるでしょう。移民を増やせばいいじゃないか、という人もいるかもしれません。
 
しかし、見逃してはいけないことがあります。世界全体でも少子高齢化が進み、人口減少がすぐそこに迫っているのです。現在80億人ほどの人類は、2080年半ばに103億人をピークに減少するという試算が国連から発表されました。「人、モノ、金」が無限に増えるという前提で成り立っていた時代から、「人、モノ、金」が減少していく時代に人類は突入します。そんな地球社会において、どのように幸せに暮らし、死んでいくのか。人が生きていく価値観を大きく変える必要があります。
 
日本の地方では1980年台からすでに少子高齢化と人口減少が始まり、50年前からいち早く「人、モノ、金」が減り始めました。それでも、人々は幸せを追い求めながら暮らしています。特に人生の最期、病気になり、障害を抱え、周囲の人々に支えられながら生きていかなければならない超高齢の人々が、私たちでは考えつかない価値観を持っています。

これから全ての国で起こる、人類が逃げられない人口減少の中で、幸せになるために必要なことや、最期まで暮らせて良かったと思い死んでいけるのはどのような地域なのか――。 「その答えはここ志摩にあるよ」と私はみなさんにお伝えしたい。
 
志摩市民病院での医療体験では、高校生の一人ひとりが入院患者さんを受け持ちます。「どうしたら担当患者さんは幸せになれるのか」というMissionを出しますので、責任を持ってその方の人生に入り込み、答えを必死になって探ってください。私たちも皆と一緒に考えます。
皆が現役として活躍するとき、日本の人口は1億人を切っているはずです。人口減社会を担う医師の育成は待ったなし、私たちは未来を背負うニューリーダーをこの地で育てたいと願っています。ぜひ、興味のある方に来ていただければと思います。お待ちしております。

平戸市民病院 長崎県平戸市

長崎県の北端、松浦半島から平戸大橋を渡ると、そこは南北に細長く横たわる平戸島です。平戸市民病院はこの平戸島の中南部地区の唯一の病院で、7名の医師が地域の人々の健康と命を守っています。5日間の医療体験では、外来診察、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなどに同行するほか、機会があれば手術見学も。また、生徒一人ひとりが患者さんを担当することで、病が良くなることを患者さんと一緒に喜ぶ共感の心、医療現場の持つ課題などを学ぶことを目指します。

多彩で濃密なプログラムが組まれるため、参加する生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。「なぜ?」という探求心、簡単には諦めない粘り強さのある方の参加をお待ちしています。

■期間
7月26日(土)集合~8月2日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
7月26日(土)午後1時半、平戸市観光交通ターミナル(平戸桟橋)集合--レンタカーで生月の宿泊施設に移動/7月27日(日)医療圏を知るフィールドワーク、午後から病院オリエンテーションなど/7月28日(月)~8月1日(金)は院内外で医療体験/8月2日(土)朝、路線バスで平戸桟橋に移動して解散。平戸桟橋から博多駅や佐世保駅行高速バスが出ています
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(高1は要相談、長崎県の生徒1名の優先枠があります)
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担

※集合場所から生月島の宿泊施設への移動、フィールドワーク、病院と宿泊施設の往復などに必要なレンタカー代およびガソリン代は後日ご請求
■宿泊
財団法人生月船員福祉会館(男女別2室)1泊3,000円の予定、光熱費は実費精算/生月から平戸市民病院は車で約25分/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照

・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出

・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

中桶了太副院長 メッセージ

平戸島には、1641年にオランダ商館が江戸幕府の命により長崎の出島へ移されるまで、世界に開かれた国際都市として栄えていました。このような歴史ある地域ですが、現在は人口減少と高齢化が進むへき地となっています。

そんな平戸島の中南部に位置する平戸市民病院は、この地域で唯一の病院です。現在、外科医2名、内科医2名、総合診療医3名の計7名の医師が協力しながら、地域の医療を守っています。診療科の枠とらわれず、0歳の赤ちゃんから100歳を超える高齢の方まで、幅広い世代の診療を行い、病院内にとどまらず、ご自宅など院外で在宅医療も行っている病院です。

この地域は高齢者の割合が高い地域です。高齢者は健康を損ないやすく、病弱な高齢者が増えると、地域の医療負荷が増加し、病院が診察や治療に対応できる限界を超えてしまう可能性があります。そのため、約30年前から病気の予防や早期発見に力を入れ、健康診断の受診を積極的に推奨し、地域全体で医療の負担を軽減する取り組みを続けています。

また、たとえ病気になっても、住み慣れた場所で安心して療養できるよう、訪問リハビリ・訪問看護・訪問診療を提供しているのです。これらを支えるのは、病院の医師や看護師、リハビリスタッフ、地域の福祉関係者など、多職種が力を合わせた「地域包括ケア」の考え方です。当院ではこのような連携を、長年にわたり実践してきました。

ご存じのように、日本は人口減少と高齢化が進んでいます。しかし、田舎はその問題に30年以上も前から向き合っています。ある意味、我が国の未来そのものです。これからの日本に起こるであろう課題と日々向き合っているのが、地域医療の現場なのです。

さらに田舎から視野を世界に広げてみましょう。海外の医療支援、つまり国際医療は「世界中のへき地における地域医療の集まり」とも言えます。限られた医療資源の中で、住民が地域で健康に暮らすための支援をすることは、私たちが平戸で取り組んでいることと通じる部分が多くあります。現在は、長崎大学熱帯医学研究所(熱研内科)と連携し、日本のへき地医療と国際医療の両方で活躍できる医師の育成も行っています。

平戸には美しい自然があり、その豊かな環境と共に暮らす人々の健康を、私たちは日々の診療を通じて支えています。そして、2024年に初めてTouch the Futureと連携して医師になりたい高校生4名を受け入れ、1週間の医療体験学習を行いました。日頃は医療とは無縁の高校生が患者さんと真摯に向き合う姿は、医療の原点を感じるとともに、我々も多くのことを学びました。
この平戸の地で、医療の現場を体験することで、「健康と命を守る」という医師の仕事の尊さを実感し、地域医療が世界とつながっていることを感じていただけたら幸いです。

君津中央病院 大佐和分院 千葉県富津市

君津中央病院大佐和分院は人口4万人の富津市民の健康と命を守る病院です。30万人に及ぶ君津医療圏の内科二次救急の一翼も担っており、救急担当の日は救急車が並ぶ「夜も眠らない病院」となります。5日間の医療体験では、外来診察、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなどに密着。また、生徒一人ひとりが患者さんを担当して、主治医から課題が出ます。積極的に主体的に参加して、ナラティブ・ベイスド・メディスン(Narrative Based Medicine=物語りと対話に基づく医療)とは何かを体感してください。

多彩で濃密なプログラムが組まれるため、参加する生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。「なぜ?」という探求心、簡単には諦めない粘り強さのある方の参加をお待ちしています。

■期間
8月2日(土)集合〜8月9日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
8月2日(土)正午、JR内房線・大貫駅改札に集合--病院オリエンテーションなど/3日(日)は医療圏を知るためのフィールドワーク/4日(月)-8日(金)院内外で医療体験学習/9日(土)午前に解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員3名(高1は要相談)
■参加費
5万円
※交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/フィールドワーク、病院と宿泊施設の往復などに要するレンタカー代及びガソリン代は後日ご請求
■宿泊
君津中央病院本院(千葉県木更津市)敷地内の看護学生寮、男女別部屋割り/7泊8日、一人当たり18,000円。光熱費の実費及びレンタル寝具代は後日ご請求/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

村山 愛医師 メッセージ

~患者さんの語りに耳を澄まし、人生に寄り添う~
患者さんとご家族、地域と共に歴史を刻む病院

こんにちは、君津中央病院大佐和分院の医師、村山です。専門は家庭医・総合診療です。自治医大を卒業して、現在は千葉大学医学部の地域医療教育学講座に所属しつつ、千葉県の地域枠・自治医大卒業生の地域医療教育に携わっています。地域医療はすべての医療者・医療を志す者に多彩な経験を与え、重要なプロフェッショナリズムを育める場です。

当院は外来・入院・訪問診療と継ぎ目のない診療形態を活かし、内科を中心とした多様な疾患を予防から終末期まで、その方の健康に責任を持ちながら、患者さんの人生に伴走する総合的な医療を行っています。高齢者が多いですが、お子さんや若い世代を診る機会もあります。
診断された病名は似ていても、患者さんの周囲の状況や職業、趣味、大事にしていること、ご家族との関係性などは医療に大きく関わるので、治療方針や意思決定などは複雑になります。
患者さんにとっての幸せは何か?何が正解なのか、分からなくなることもあります。それでも皆で協力して、少しでもいい方向に進む。それができなかったとしても、そばにいて、癒す。精一杯生きる姿に、医療者自身も癒され、人間として成長させてもらっているのを感じます。

長年通っている患者さんも多く、5年10年と診ていると、元気で外来を通っていた人が年を重ね、病を患い、入院を繰り返すようになり、施設を利用するようにもなります。
例えば、こんな方もいます。糖尿病で通院していたところがんが見つかり、大きな病院に紹介する。そこでがんの治療をしながら当院にも通い、頑張られている姿を応援する。完治したことを喜び、引き続き慢性疾患の合併症予防につとめる。
残念ながら進行し、積極的治療を諦め、終末期をともに過ごす方もいらっしゃいます。患者さんが亡くなったとしても、ご家族と外来で会うこともあり、ともに患者さんを偲びます。
そんな患者さんたちの物語に耳を澄ませながら、人生に寄り添っていると、強い信頼関係を築くことができます。

皆さんには、患者さんの物語を聴くことの大切さを実感してもらいます。毎日の振り返りを丁寧に行い、「患者さんの幸せ」とは、「寄り添う」とは何か、自分は今後何を学ばなくてはいけないのか、などを一緒に考えていきます。また、毎月君津中央病院の初期研修医が地域研修をしていますので、年齢の近い立場の先輩からの経験も聞くことができるはずです。

昨年初めて医療体験を行いましたが、参加者の熱意ある姿に私たちもパワーをもらいました。地域医療体験はお互いにとって素晴らしい時間になります。

千葉県は高い山がなく年中過ごしやすい所です。富津市は田舎ですが、東京まで早ければ1時間の距離です。君津医療圏は人口の増えている地域と高齢・過疎化が進んでいる地域とがあり、日本の縮図のようです。
「かかりつけの患者は責任を持って診る」と掲げても、まだまだその「かかりつけ」の定義は地域の中で確立されておらず、救急体制と合わせれば、君津医療圏全体で取り組むべき課題は多くあります。都会に近い田舎の良さと課題を、皆さんと一緒に考えられたら嬉しいです。

南砺市民病院 富山県富山市

富山県南西部にある南砺市は2004年11月1日、8つの町村が合併して誕生しました。散居村で知られる砺波平野の南部と、世界遺産五箇山の合掌造り集落を有する山間部からなり、人口は約4万6000人。この広大な医療圏をカバーするのが南砺市民病院です。医療体験では、「安全で確か、温かい医療」をモットーに人々の生活と命を守り、人生を豊かにするために奮闘する医師らに密着します。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持つほか、訪問診療などにも同行。ドクターカーの出動要請があれば医師とともに現場に向かう救急救命医療体験もあります。


多彩で濃密なプログラムが組まれるため、参加する生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。「なぜ?」という探求心、簡単には諦めない粘り強さのある方の参加をお待ちしています。

■期間
8月2日(土)集合~9日(土)昼解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
2日(土)午後2時半、JR城端線・福野駅改札前集合--病院に移動してオリエンテーション、レクチャー/3日(日)医療圏を知るフィールドワーク/4日(月)~8日(金)院内外で医療体験(手術見学やドクターカー体験あり)/9日(日)午後1時、JR福野駅で解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員4名(高1は要相談、富山県の生徒1名の優先枠があります)
■参加費
5万円
※旅費交通費、保険、食費は自己負担/フィールドワークなど生徒移動に要するレンタカー代とガソリン代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別)宿泊費無料/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

南砺市民病院 品川俊治院長 メッセージ

(2024夏・南砺市民病院副院長、高校生・医療体験担当)

NPO法人Touch the Futureの理念に賛同し、昨年度に続き医師を目指す高校生の医療体験学習に協力させていただくことになりました。地域医療の最前線で活動することで、地域に寄り添う医療の重要性を体験し、命を預かる覚悟と志を育み、将来の進路を考えるきっかけとなることを期待しています。

地域医療はへき地や田舎だけのものではありません。それぞれの地域に寄り添うのが地域医療であり、高齢者が急速に増えつつある都会でも重要な役割を果たしています。医療、介護、福祉の連携によって、地域の住民の健康と福祉を支えるシステムが構築されています。医師はその中でリーダーシップを発揮し、地域のニーズに応える役割が求められます。

私は、患者さんが「ありがとう」と言って帰られる姿、その人たちの人生によい影響が与えられたと思える瞬間……この瞬間のために医師を続けているのだと思います。それは治す技術だけではなし得ないことです。治すための技術に加えて、癒す技術が必要なのだなと、私自身が年を重ねて思うようになりました。

「医療は単なる手仕事ではなく、アートであり、天職まさしく」
これは、医師を目指す高校生のみなさんにお伝えしたいことです。

医師は単なる治療者ではなく、患者と向き合い、その人らしい生活をサポートする存在です。地域医療では、患者の背景や状況を理解し、地域社会での安心した生活を支援することが重要です。

なぜ医療はアートであり天職なのか――。その答えを求めに、ぜひ参加をしてください。そして将来、少子高齢化社会を支える志ある医療人として、未来の担い手となっていただきたいと期待しています。

隠岐島前病院 島根県隠岐郡西ノ島町

隠岐諸島とは鳥取・島根からフェリーで約3時間、日本海に浮かぶ有人4島(島前地区の3島、島後地区の1島)と約180の無人島の総称です。隠岐島前病院は島前地区にある唯一の病院として、人口2700人の西ノ島町の外来診療、人口2200人の海士町と人口600人の知夫村の入院診療を担っています。また、同病院は「地域医療の醍醐味を学びたい」と年間100人を超える医学生や看護学生を受け入れてきた実績があり、教育を大切にする医療機関として定評があります。

高校生の医療体験では、島の人々が幸せに過ごせるよう医療を届けつづけるメディカル・スタッフに密着する1週間です。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持ち、「患者さんの幸せを考える」という難しい課題に取り組みます。「質問する力」「少しでも疑問に思ったことを、しっかりと聞ききる積極性」「粘り強さ」が求められます。主体的に参加する生徒の参加をお待ちしています。

■期間
8月16日(土)集合~24日(日)朝解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
16日(土)午後2時過ぎ、隠岐島前・別府港集合--新型コロナウイルス感染症検査キットで陰性確認--病院宿舎へ/17日(日)は医療圏を知るフィールドワーク/18日(月)~22日(金)夜まで院内外で医療体験/23日(土)自由行動/24日(日)朝解散、別府港から本土へ
■対象と定員
高校生2年生以上、定員4名(高1は要相談)
■参加費
5万円
※交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/フィールドワークなど生徒移動に要するレンタカー代及びガソリン代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎(男女別)1泊500円/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

白石 吉彦院長 メッセージ

ようこそ、日本海に浮かぶ隠岐諸島・島前へ。西ノ島、中ノ島、知夫里島の3島に約5,500人が暮らし、本土からフェリーで2時間半の距離にあるこの地域で、私たち隠岐島前病院は唯一の入院可能な医療機関として地域医療を支えています。

当院では、総合診療医が0歳から100歳まで、診療科にとらわれず診療し、看護師・療法士・薬剤師・事務職などの病院の職員、そして保健や福祉分野にかかわる多職種の島のスタッフが連携して「この島に住んでよかった」と思える医療、そして介護を実践しています。

この島は日本の未来=超高齢社会の最前線です。私たちは「高齢化先進地」として、保健・医療・介護・福祉のモデルづくりに取り組んでいます。限られた資源の中でも、高性能CTや内視鏡、各診察室に配備されたエコーなどを活用し、質の高い医療を追求しています。

皆さんには、ここでの医療のリアルを肌で感じてほしいと思います。そして、島の人々の暮らしと医療のかかわりから、将来を考えるヒントを見つけてくれることを願っています。
 私たちも、皆さんの一歩を全力で応援します。

津和野町は島根県最西部の中山間地に位置する小さな町で、その中心部は山間の小さな盆地に街並みが広がる城下町です。日本有数の清流として名高い高津川水系の源流域にあるため、稲作はもちろん、山間では山葵(わさび)が栽培され、山頂には“天空の牧場”があります。この美しい町も高齢化率50%を目前に控え、2045年には人口が半減すると推測されています。少子高齢化に歯止めがかからず、交通空白地区が多数存在する中、地域の医療・福祉・介護を担うネットワークの中心にあるのが公設民営の医療法人橘井堂・津和野共存病院です。ふるさと津和野の医療と暮らしを守り、患者さんの「生きたい人生」「過ごしたい場所」「暮らしたい家」で最期まで過ごせる町を作る──。この強い志のもと全てのスタッフが連携して奮闘しています。
                   

高校生の地域医療体験では、離島の隠岐や長野県で研鑽を積んだ総合診療医の濵﨑雅文副院長がリーダーとなり、ベテラン、中堅、若手の医師や看護師、社会福祉士らが生徒たちを手厚くサポートします。参加する生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。「なぜ?」という探求心、簡単には諦めないしなやかさのある方の参加をお待ちしています。

■期間
8月16日(土)集合~8月23日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
8/16(土)14:00、JR津和野駅集合--病院オリエンテーション/8/17(日)は医療圏を知るフィールドワーク/8/18(月)―22(金)は院内外で地域医療体験学習/8/23(土)午前、JR津和野駅で解散
■対象と定員
高校生2年生以上、定員4名(高1は要相談)
■参加費
5万円

※交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/フィールドワークなど生徒移動に要するレンタカー代及びガソリン代は後日ご請求
■宿泊
病院宿舎または町の移住者向け「お試し暮らし住宅」(2階建て一軒家)男女別室/1泊1,000円程度/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

濵崎雅文副院長 メッセージ


人々を支える「チーム津和野」の輪に入ってください!

津和野町は、島根県の最西端に位置する人口約6000人の町です。森鷗外氏や西周氏ら、近代日本を築いた数多くの偉人を生み出し、山陰の小京都と呼ばれる風光明媚な町ですが少子高齢化は大きな課題。現在の高齢化率は約48%と、日本の最先端を進むトップランナーになっています。

近年、専門分化をしている医師のあり方の中で、当院の医師は、どんな患者さんもまず診る、という総合医として働き、地域の住民の健康を支える「チーム津和野」の中のひとりです。病院での診療だけでなく、自宅へ伺う訪問診療や往診、また地域での保健予防活動にも積極的に取り組んでいます。

もちろん、すべての病気を診断・治療し、課題を解決していくことは、わたしたち医師の力だけでは不可能です。病院内・外を問わず多くの職種の方々と協力し、患者さんひとりひとりやそのご家族を含む周囲と、ともに手を取りつくりあげていくのが「チーム津和野」の医療です。

島根県最西端かつ日本最先端の津和野というフィールドの中で、特殊なスキルや特別な医療機器がなくとも、「チーム津和野」の一員として奮闘する医師の姿を実際に見てもらいたいと思います。

2025年3月下旬から4月上旬の1週間、Touch the Futureの医療体験学習として高校生4名を受け入れましたが、当院のスタッフも多くの学びやエネルギーをいただきました。この夏もまた皆さんに来ていただくことで、私達も成長をしていきたいと思います。

中山間地域における医師の働きぶりと病院の在り方を知りたい、地域医療を体験してみたい、という皆さんをお待ちしています!

出雲市から車で斐伊川の源流を目指すこと1時間、かつて「たたら」と呼ばれた製鉄技術で日本の文明を支えてきた奥出雲町にたどりつきます。人々は「たたら」によって削られた山々を美しい棚田として蘇らせ、ブランド米「仁多米」の産地として名を馳せるようになりました。しかし、町はいち早く少子高齢化の波を迎え、高齢化率は50%を目前に控えています。2045年には人口がおよそ半減すると推計されるなか、医療圏を守りつづけているのが町立奥出雲病院です。

高校生の医療体験は、人々が幸せに過ごせるよう改革を進めながら、着実に医療を届ける総合診療医や多職種のスタッフに密着する1週間です。生徒一人ひとりが入院患者さんを受け持つ本格的な体験学習ですので、参加生徒には「質問する力」「疑問に思ったことをそのままにしない積極性」が求められます。主体的に学ぼうとされる方の参加をお待ちしています。

■期間
8月23日(土)集合~30日(土)解散  院内外医療体験5日間 
■主なスケジュール
8月23日(土)JR出雲三成駅集合--病院オリエンテーション/日曜日は医療圏を知るフィールドワーク/月曜~金曜は院内外で地域医療体験学習/土曜日午前、JR出雲三成駅で解散
■対象と定員
高校生2年生以上、定員4名(高1は要相談)
■参加費
5万円

※交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/医療体験中の病院と宿泊施設の往復はバスまたはJRを利用する予定
■宿泊
奥出雲百姓塾(〒699-1434 島根県仁多郡奥出雲町佐白335)
※古民家1棟、男女別室/ハイシーズンのためTtF補助で1泊3,000円~3,500円の予定/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

遠藤健史医師(地域医療部長) メッセージ


何でも診る 未来医療の扉を開く奥出雲の医療

奥出雲は、かつて砂鉄を採取して製鉄を生業としてきた地です。砂鉄取りの痕地は棚田となり、独特の景観を今に残します。森に囲まれ、清流が流れる静かな環境の中で、その鉄づくりを生業とした人々は敬われ、船通山に降臨したスサノオと見立てられたのでしょう。対する八岐大蛇は氾濫する斐伊川だったのか、あるいは奴隷船だったのか──と、神話と現実が交差する歴史が息づいています。

奥出雲の町民は、厳しい寒さに耐え、助け合いながら暮らす中で、温かい方言と、その人柄とを育んできました。その背景には、互いを支え合う文化と共に、高齢化率46%という現状に対応する医療福祉システムがあります。このシステムは地域医療の最前線において多くの知恵と工夫によって成り立っています。

奥出雲病院では、総合診療科、内科、外科、整形外科などを揃え、病気の治療だけでなく予防医療や生活に寄り添う医療を実践しています。「何でも診る」という理念のもと、幅広い診療を通じて住民の健康を支え、単なる診療科の枠を超えて地域社会全体に深く関わっています。。

最先端の高度過疎地域において医療と福祉がどのように機能しているのかを知ることは、医療を志す皆さんにとって貴重な学びとなるでしょう。奥出雲での学びが、皆さんの未来に役立つことを願っています。

利尻島国保中央病院 北海道利尻郡利尻町

北海道最北端の地・稚内からフェリーで約100分、日本海に浮かぶ周囲60キロほどの小さな離島、利尻島。国立公園の豊かな自然と利尻山の雄大な眺望、そして利尻昆布やウニなど豊かな海産物の産地として知られています。しかし、この美しい島も少子高齢化という厳しい現実に直面しており、1950年代の1万1000人をピークに人口は減り続け、現在は約4000人が暮らしています。このような状況下、島民の健康と命を守る最後の砦として、唯一の入院機能を持つ利尻島国保中央病院がその役割を担っています。

病院には、外科・内科を分け隔てなく総合的に診療する4名の常勤総合診療医がおり、医療体験学習に参加する高校生の皆さんは、この4名の医師に密着し、日々の診療活動を間近で見学します。今回の体験学習は、教科書だけでは決して学ぶことのできない、生きた医療の現場を主体的に体験できる、非常に貴重な学びの機会を提供します。地域医療の最前線で、医師をはじめとする様々な医療専門職が、それぞれの専門性を活かし、患者さんのために連携し、ケアにあたる様子を肌で感じてください。この経験を通して、将来の進路を考える上で重要な発見や学びを得てくれることを期待しています。

■期間
8月23日(土)集合〜30日(土)午前解散  医療体験5日間 
■主なスケジュール
23日(土)午後1時50分、利尻島・鴛泊フェリーターミナル集合、病院でオリエンテーション/24日(日)医療圏を知るフィールドワーク/25日(月)~29日(金)院内外で医療体験学習/30日(土)午前に解散
■対象と定員
高校2年生以上、定員3名
■参加費
5万円
※旅費交通費、宿泊費、保険、食費は自己負担/フィールドワーク、病院と宿泊施設の往復などに要するレンタカー代とガソリン代は後日ご請求
■宿泊
23日(土)は若手医師宅に宿泊/24日~30日は利尻島・鴛泊にあるキャンプ場内コテージに宿泊。男女別棟/1泊3,000円程度/朝夕食は生徒同士で協力して自炊
■感染症対策
・風疹、麻疹、水痘、流行性耳下腺炎の4感染症について十分な抗体価を獲得。詳細は感染症対策を参照
・2週間前からの健康観察・行動記録表の提出
・集合日3日前及び集合日朝、新型コロナウイルス感染症の検査キットで陰性確認
■交通費及び宿泊費補助
・交通費は上限5万円、感染症対策費は上限1万5,000円の補助。奨学制度のページを参照

浅井 悌院長メッセージ

ようこそ、北海道の最北、夢の浮島、利尻島へ。
ここには約4000人が暮らしていて、利尻富士と呼ばれる利尻山がそびえる自然豊かな場所です。私たち利尻島国保中央病院は、この島で唯一入院できる医療機関として、地域のみなさんの健康を守っています。

病院では、赤ちゃんからお年寄りまで、年齢や症状にかかわらず診る総合診療医が中心となって診察を行っています。看護師さんや薬剤師さん、リハビリの先生、事務の方など、たくさんのスタッフが協力し合いながら、「この島に住んでいてよかった」そして、「島で最後を迎えたい」と思ってもらえる医療や介護を目指しています。

利尻島は、今の日本が向き合っている「高齢化社会」の最前線でもあります。限られた設備や人材の中でも、CTや内視鏡、エコー(超音波診断)などを活用して、できる限り質の高い医療を届けています。

みなさんには、ここでの医療の現場を実際に見て、感じて、学んでほしいと思っています。
そして、島での暮らしや人との関わりの中から、「将来、どんな医療が必要になるのか」「どんな社会を作っていきたいのか」といったことを考えるきっかけになればうれしいです。
私たちも、みなさんの新しい一歩を全力で応援します!