順天堂医院 春の先端医療体験レポート
「人」のつながりを大事に 5日目:田中里佳教授に密着
どのような患者さんたちが、田中教授の新しい治療法を待ち望んでいるのか──。最終日の5日目、生徒たちが見学したのは田中教授がセンター長を務める順天堂医院「足の疾患センター外来」。足に深刻なトラブルを抱えた大勢の人が助けを求めに来る“最後の砦”です。
中部地方から来たという男性は糖尿病が原因で足の潰瘍が悪化。地元の病院で足の切断手術をする予定でしたが、直前に田中教授を頼ったことで切断を免れました。
一方で、厳しい診断が下されるケースも目にしました。車椅子で訪れた初診の男性は左足の一部がすでに壊死しており、緊急入院を告げられたのです。すぐに手術をしないと、敗血症で命を落とすリスクが高いことが理由でした。
治癒に向かう人もいれば、切断という現実に直面する人もいる。そうした患者さんたちと真摯に向き合い、「一緒に治していこう」と励まし続ける田中教授に生徒たちは圧倒されました。
1日中、患者さんたちに声をかけ続ける田中教授の姿を見て、私も諦めない医療を届けられるようになりたいと思いました。
田中教授の外来は色々なことを考えるきっかけとなりました。医師は全く知らない人に対して、時には「緊急入院、足の切断」というような厳しい診断を下さなければならない仕事なのだと痛感しました。
【午前】田中教授がセンタ--長を務める足の疾患センター外来を見学
【午後】形成外科の眼窩底骨折手術を見学--心臓血管外科の手術も一部見学--5日間の振り