DoctorX! ミーティング第2弾 開催しました
多臓器移植の世界的な第一人者である加藤友朗・コロンビア大学医学部教授を講師に迎えた「DoctorX! ミーティング第2弾」を5月14日(日)、鴎友学園女子中学・高等学校(東京都世田谷区)で開催しました。
研修医3名も駆けつけたミーティングには9校136人(中学3年生から高校3年生)が参加、5時間を超える濃密なイベントとなりました。
第1回ミーティング(2月開催)と同じくディスカッション重視の企画で、今回もさまざまな分野でグローバルに活躍したい生徒が集まりました。「アメリカで資格をとりたい」「国際医療支援に参加したい」という医療系希望者はもちろんのこと、医工学やロボティクス、マーケティング、教育など参加者の夢は多彩です。
■第1部
第1部では、加藤教授が信念とする「NOから始めない生き方」と、諦めない精神を原動力に世界初の多臓器摘出・体外腫瘍切除手術を実現した経緯を紹介。死の淵から生還した患者さんたちの声や、実際の手術動画が次々と映しだされ、生徒たちは食い入るようにスクリーンを見つめます。加藤教授は壇上にとどまることなく生徒たちの間を歩き、質問しながら講義を進めました。
■第2部
第2部は加藤教授と生徒たちとのトークタイム。次々に質問の手が挙がりますが、生徒の質問が大きなテーマの場合は会場全体で考えるのが加藤流。例えば「日米の医療の違い」について問われると、ヒントを与えながら「みんなはどう思う?」と問いかけます。死生観や保険制度などの違いを生徒たちは指摘しますが、加藤教授は「もう少し一般的に考えてみましょう」とさらに考えるように促しました。ある生徒が「人種が多い」と発言すると、教授はこう話しました。「多民族国家のアメリカには世界中のほとんどの病気があるのです。それに比べて単一民族の日本では病気の幅が狭い。当然、医療の在り方も日米では異なります」
医療格差や臓器移植、女性が活躍するために必要な構造改革とは──グローバルな視点でのやりとりが続き、あっという間に2時間が過ぎました。
最後の10分間は教授の要望による「ゆるい質問タイム」。
「スーツなのになぜスニーカーなんですか?こだわりは?」
「大事な手術前の勝負メシは?」
「好きな女性のタイプを教えてください」
「イヤホンマイクが左右逆だと思います」
直球質問や鋭いツッコミに困ったり照れたりしながら答える加藤教授。会場は笑いと拍手につつまれました。
■第3部
第3部は「司会なし、NG質問なし、何でも答えます!」というスタンスの集まりで、約50名の生徒が参加しました。講師を務めたのは、この春に医師になったばかりの研修医3名(河端実さん、土方美奈子さん、水橋優介さん)です。
「研修医の日常を教えてください」など次々と手が挙がり、「生物か物理か迷っている」「帰国生にとって良い医大は?」など、具体的な進路や受験対策についての質問が相次ぎました。
生徒からは「目標を見直すきっかけになった」「他の生徒の考え方を知り刺激になった」という声や、「医師の働き方改革も進んでいると知った」「意外とプライベートが充実していて安心した」などの感想が寄せられました。