2/15 アルムナイ報告交流会─学びの輪が見えてきた

Touch the Futureのアルムナイ報告交流会「医療体験の学びとは?ミライ医療とは?」を2月15日、東京慈恵会医科大学(東京都港区)で開催しました。医療体験に参加した高校生やOBOG医学生、生徒を受け入れている病院の医師ら約60人が一堂に会し、「病気を診ずして、病人を診よ~医療体験の学びから」とサブタイトルを銘打った企画。医療体験に関心のある中高生や保護者、教諭ら30人も参加し、オンライン配信も行いました。
3部構成のイベントでまず行ったのは、OBOG高校生による体験と学びの発表です。冒頭に2人が登壇し、トップバッターの生徒はⅡ型糖尿病を患う患者さんと向き合った試行錯誤の1週間と、そこから得た学びについて発表。2人目は「信頼はどこから生まれるのか」をテーマに離島での体験を振り返りました。
続いては、高1と高2の8人によるポスター発表。今回、発表した生徒たちのプレゼン作りを1か月にわたりサポートしたのはOBOG医学生や既に大学に合格していた高3生たちです。そんな仲間たちに見守られながら、8人は来場者した中高生や医師らの質問に懸命に答えていました。予期せぬ問いもあったようですが、考えながら答えることでディスカッションが深まったり、新たな発見があったり。ポスター発表した生徒の一人は「自分が注目した点と異なる部分に焦点を当てた質問があり、視野が広がった」と振り返りました。
第2部はスペシャルゲスト・長嶺由衣子医師が登壇。軽妙な語り口で会場を大いにインスパイアしてくれました。高校生の時、植林ボランティアとしてフィリピンに行った体験をきっかけに国際情勢に興味を持ったという長嶺医師は、800人が暮らす離島、沖縄の粟国島でただ一人の医師として島民を支え、その後は国内外で公衆衛生を学び、現在は厚生労働省で未来医療をデザインしています。ふんだんにデータを示しながら、「今後、医療はどう変わるか?」について語ってくれました。


これまでTouch the Futureのイベントは役員が中心となって企画してきましたが、アルムナイは医療体験OBOGたちが “つながる場” です。そこで今回はOBOG医学生らがコア・メンバーとして企画を担い、運営もしました。特に彼らが腐心したのは長嶺医師のレクチャーを受けて行うディスカッションの形とテーマ設定でした。ギリギリまで協議し、「時代設定は2040年」「5グループに分かれて議論」という形に決まったのは前日14日の夜。本番では「2040年にどんな医師でありたいか」「どんな医療が理想か」「どのように、その医療に携わりたいか」をテーマに、たっぷり80分話し合うことができました。
長丁場のイベントのため、途中でサンドイッチ&スイーツでエネルギーチャージ。その後の第3部は小グループに分かれ、メンバーを入れ替えながら対話を重ねるワークショップを行いました。OBOGも中学生もすっかり打ち解けてワイワイガヤガヤ、充実した一日となりました!
聴講者として来場した川野小児医学奨学財団の事務局スタッフは、報告交流会後にこんなメッセージを寄せてくれました。
「医療体験に参加した高校生が、試行錯誤しながら、実際に医師の仕事に向き合っている様子がとても印象的でした。TtFの理念の通り、実体験を通じて未来に触れることの大切さを感じることができました」
「大学生たちが次の世代を育てようとしている熱意が随所に伝わってきて、本当に素晴らしいと感じました」
高校生の登壇発表をアーカイブ配信で見た医学生も「患者さんを全人的にみることの難しさと大切さを改めて気づかされた」「高校生に負けてはいられないと思わされる発表と質疑応答。背筋が伸びる思いでした」と感想を寄せてくれました。
当日来場いただいた方々には、生徒たちの医療体験をまとめた新しい小冊子を1部ずつ配布しました。また、イベントに協力してくれた高校生やOBOG医学生には記念のピンバッジを贈呈しました。TtFロゴとともにバッジに記したのはラテン語の格言「Usus magister est optimus = 経験は最良の教師である」。この格言通り、現場で医療者から薫陶を受けた高校生が医療系学生となり、さらに次代の高校生をメンタリングする──Touch the Futureが紡いできた学びの輪が、形となって見えてきました。

















