Doi Takeshi 1989年慶應義塾大学法学部卒。大手新聞社に入社後、地方支局などを経て教育支援に携わる。東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の子供たちが国際宇宙ステーションと交信する企画をJAXAに提案、産官学の協力を得て実施するなど多くの教育イベントを手がけた。2015年からは高校生が医療現場を体験するプロジェクトを順天堂大学心臓血管外科と連携して開始。大阪大学心臓血管外科も2017年から生徒受け入れをスタートさせ、5年間で約120人の生徒をサポートした。コロナ禍でプロジェクトが中断、良質な医療体験の場を提供する必要性を痛感したため2022年に早期退職。有志の医師や教育者らとNPO法人Touch the Futureを設立し、活動を始める。
これは、私と同じ年で無念の死を遂げたジョブズ氏のメッセージです。NPO法人Touch the Futureがこれからどれだけイノベーションを起こす医療人を育成していくか。私たちもGRITを胸に前に進みます。大変楽しみな本法人に、今後ともご支援とご理解をいただけますようよろしくお願いいたします。
Sawa Yoshiki 1980年、大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部第一外科入局。89年、フンボルト財団奨学生としてドイツのMax-Planck研究所に3年間留学。2006年、大阪大学心臓血管・呼吸器外科教授。07年、大阪大学心臓血管外科教授。心臓移植や補助人工心臓治療のエキスパートとして、一貫して重症心不全の患者の救命に取り組む。iPS細胞から作った心筋細胞シートの治療法開発も主導し、治験の一環として20年に患者3名に心筋細胞シートを移植。同年、紫綬褒章。21年9月、大阪警察病院長に就任。
大志を胸に 未来に貢献を
順天堂大学心臓血管外科特任教授 学校法人順天堂理事 天野 篤
NPO法人Touch the Futureは、自ら強い意志を持って医療系の職業に就き、医療現場を支え、そして人として明るい未来に貢献したいと願う若者を応援する目的を持って立ち上げられました。理事長である土井毅さんは元々大手新聞社の教育支援畑でキャリアを重ねてきた方ですが、将来を真剣に考える高校生たちの側に寄り添うために新聞社の枠組みを出て、この法人を立ち上げるため先頭に立って活動を開始されました。
医療に携わるためには国家試験を受験する必要があります。医師を目指すならば医学部に入学して医師国家試験に合格、研修医になっていくでしょう。その道のりは長く、その時期は人生で最も多感であり、情緒豊かなことから、気持ちの揺らぎや唯我独尊も芽生えることと思います。ただ、どれだけ心が揺れ動いても、Touch the Futureに参加する皆さんには、ぜひ、「貢献と恩返し」を忘れないで欲しいと願います。
Esumi Yuta 東京都立西高等学校卒。2009年三重大学医学部卒業後、沖縄中部徳洲会病院で初期研修。宮古島徳洲会で離島研修中に東日本大震災が発生、福島県いわき市へ支援。11年より三重大学家庭医療総合診療科に所属し、県内各地の医療機関で後期研修。世界一周客船Ocean Dream号船医を経て、14年12月に志摩市民病院内科に赴任。16年4月より同院長。
この度NPO法人Touch the Futureの活動をお手伝いすることとなり、入学前の高校生に医療現場を体験してもらい、どのように感じ、何をつかみ取るのか見る機会を得ることができた。この1週間のプログラムは、ICU(集中治療室)を含む病棟や外来業務の見学はもちろん、実際の手術に立ち会い、当直業務の随行など多岐にわたった。さらに実際の入院患者と面談することで、病を患うと生じる問題は病気だけでなく、家族関係や経済問題など患者の周囲の多くを巻き込んで生じてくることを知ってもらった。
Yokoo Takashi 1991年、東京慈恵会医科大学卒。University College London医科大学留学などを経て2013年より腎臓・高血圧内科主任教授。末期腎不全の患者さんに直接届く新規治療の開発を目標に、腎臓再生医療の確立と実用化に挑む。高校で夢中になったのは剣道。現在はジョギングでストレス解消、フルマラソン自己ベスト3時間48分。